多くの企業は、商標は登録さえ成功すれば、永久に保護されると考えがちです。しかし、商標の実務においては、長年存在する商標であっても、法律の規定に従って適正に使用されていないために、最終的に商標権を喪失するというケースが多々見受けられます。
当事務所(君睿国際)が代理した「阿義羊肉爐」の案件はその典型的な成功事例です。クライアントが商標出願を行った際、特許庁(智慧財產局, TIPO)は長年存在する「先行登録商標」を引用し、拒絶査定(核駁處分)を下しました。これによって商標登録が一時的に阻まれることとなりました。
事件を受任後、当事務所は拒絶理由の文面に留まらず、一歩踏み込んで当該先行商標の実際の「使用実態」を検証しました。綿密な市場調査、商標使用状況の分析、および膨大な資料収集の結果、当該先行商標は20年以上存在しているものの、その使用方法や提示されている使用の証拠が、商標法上の法的基準を満たしていない可能性が高いことが判明しました。これにより、「商標取消審判(不使用取消)」を提起できる十分な蓋然性を見出しました。
その後数ヶ月にわたり、証拠の整理、法律分析、および攻防を重ね、強固な主張を組み立てました。最終的に特許庁は取消請求を認め、先行商標権は消滅(審決取消)しました。これにより「阿義羊肉爐」は登録障害を完全に排除し、無事に商標権を取得することができました。
本件は、商標権における最大の不確実性は出願時だけでなく、むしろ「商標取得後」にあることを再認識させるものです。たとえ長年使用している商標であっても、法律の規範に合致しない方法で使用されていたり、客観的かつ有効な使用の証拠を提示できなかったりする場合、商標取消、撤回、さらには権利喪失のリスクに直面します。
したがって、企業は商標の出願・登録だけでなく、以下の後続的な商標管理と維持戦略を重視する必要があります:
- 商標の使用証拠の保存(適切なファイリング)
- ブランドライセンス(許諾)管理
- 商標の同一性・識別性管理
- 商標使用監査制度の構築
- 商標権の維持・防衛戦略
君睿国際では、常々クライアントに「真に価値があるのは、壁に掛けられた商標登録証ではなく、ブランドが継続的、適正、かつ完全に保護されているか否かである」とお伝えしています。当事務所は、商標出願、異議申立て、無効審判、取消審判だけでなく、企業の知財教育研修も提供し、将来の権利取消や侵害紛争のリスク低減をサポートします。
「商標登録はゴールではなく、ブランド保護の始まりである」











